潜在意識は、書き換えなくていい! 万物の存在に〝気づく〟だけで、資本の奴隷から脱却できる

  • 2025/06/19
  • 縁空のオケイ/勝 桂子

潜在意識は、ありのままの自分。無理に書き換える心理操作はマインドコントロールにすぎない

 縁空のオンライン講座には、「人生物語」というふりかえりワークがあります。僧侶と葬祭カウンセラーがエピソードをうかがいながら3ヵ月以上の期間をかけて伴走し、過去の人生のなかで蓋をしてきてしまっていた「辛かった体験」を、無理のないよう丹念にふりかえっていただきます。ご自身が思い込んでいるのとは別な角度から、そのときのご自身をふりかえるワークを通して、「辛かった時間をのりこえてきたご自身」を誇らしく感じ、「まぎれもなく生きているいま」を体感していただきます。

 参加されるかたの多くは、縁空の講座にみえる前にも自己啓発や新宗教、心理学系セミナーなど、「マインドを書き換える」と謳うさまざまなサービスを体験してこられます。そして、「以前にはその方法(潜在意識の書き換え)で楽になれたのに、また同じようなハラスメントに遭ってしまい、こんどは気持ちを浮上させることができなかった」とおっしゃいます。

 一度はうまくいった方法なのに、なぜ繰り返しの効果がないのでしょう?

仲間とともにコントロールされた状態

 似たような過去を持つ人たちを集めて体験を語り合う、さまざまな会合。それは、費用を払った人々が〝共感しあう場〟です。仲間たちが立ち直っていくのを見て勇気づけられたり、あるいは皆が元気になっていくのにとりのこされた感覚を味わったり。集団のなかでの〝比較〟を通して、次第に浮上できると感じたり、また時間や費用をかけている場合は〝浮上しなければもったいない〟と感じるようになったりするでしょう。

 わたしたち人間は集団動物であるので、似た境遇の人が集まっていれば傷みを分かち合うことができます。影響を受け、向上心を持つこともできます。ただ、その集団が昔のムラのようにずっと居続けられる集合体であるならまったく問題はないのですが、こんにちにおいてはそうではありません。一般社会とは異なる〝閉じられた場〟で気持ちを正常化できた場合、違う環境の一般社会に戻ればまた、繰り返しになってしまうのも当然のことなのです。

 集団でのわかちあいやカウンセリングがまったく無意味というわけではありません。それと並行して、同じくらいの時間、ひとりで向き合う時間を持つことも大いに必要ではないか、ということです。思い込みや他人からの言葉によって矯正されてゆくだけではなく、自分自身が過去の自分をゆるすことができなければ、なかなか自立することは難しいものなのではないでしょうか。

自分を戒めるということ

 宗教者の修行も、集団生活で行われますが、ひとりひとりの時間も大切にします。

 日本ではよく「戒律」とひとまとめに言いますが、じつは僧侶集団にいる人たちが守らなければならないのは「律」のほうです。
 「戒」は釈尊が存命の当時から、出家・在家を問わず、インド社会の一般人が、人として当然志向すべき道徳的な基準として提示されていたものであり、守ろうが破ろうが(蔑まれることはあるにせよ)、処罰の対象ではありません。
 対して「律」のほうは、僧侶集団(サンガ)のなかでの規律違反として罰せられるもの。出家者が、出家者としての生活を律するためのものなので、在家の人には強要されません。

 むろん、縁空の「人生物語」でも全員が必ず以前よりも楽になれることを保証できるわけではありません。向き・不向きもありますし、効果のほどは人それぞれです。ただし、多くの自己啓発系セミナーや新宗教の祈りが集団的作用に偏るのに対し、宗教者が生み出した講座である「人生物語」においては〝ご自身をみつめる時間〟を大切にしています。

 人として生まれてきて、このあとの人生で何をめざすべきなのか――そのことを、ご一緒に考えてゆく時間。つまり「戒」のほうに重きを置いているといえます。

潜在意識を転換するのではなく、ほんらいの姿に〝気づく〟

 その過程で大切にしていることは、わたしたちは誰しも五感を持って生まれたということ。すなわち、この世に〝何かを感じ、体験するために存在している〟というまぎれもない事実をお伝えすることです。

 生きているということは、感覚器官で感じとり、体験するということにほかなりません。

 でもいまの日本社会は人口密度があまりにも多く、しかも比較をされがちな風潮がはびこり、社会はあまりにも窮屈です。わたしたちの五感は、心地よくないものばかりを見聞きし、外界に開かれることを避け、イアフォンを通して流れてくる音楽とスマートフォンの画面に向いている時間が圧倒的に多くなってしまいます。

 はたしてそれは、ありのままの自分なのでしょうか?
 そんなはずはありません。生まれ落ちてまだ何も体験していない0歳児だったあなたは、窓からの光のちょっとした加減にも喜びを感じ、はじめて雷が鳴り響くのを聞けば驚き、そのあとで聞こえた家族の声に安堵していたはずです。外界の変化にたえず驚き、感動し、喜ぶ。ときには天災や悪天候に不安を抱くこともあるでしょうが、その不安を乗り越えまた陽の光を見たときには、いっそうのありがたみを感じたはずなのです。

 外界はいまもひろがっており、都会にいても、注意をすれば鳥のさえずりや風の音をきくことができます。

 〝されたことをイヤに思う時間〟が多いのであれば、1日10分か20分でも散歩に出て、風や陽の光を感じる時間をとり、〝心地よいなと感じる時間〟を増やしていく。塞がった五感をもういちど開くために、瞑想や坐禅といったリセットのための鍛錬も活用できるでしょう。

 というわけで縁空では、潜在意識は書き換えるべきものだとは考えません。

 「あなたの考えをこう変えなさい」、「こう変えなければダメです」と言われ続けた人々は、ショック療法のように「自分のこういう考えが間違っていたのか!」と一度はハッと気づきを得ますが、他人の言葉で自己否定をしてしまった事実は残ります。

 過去の自分の考えを間違いだと決めつけて矯正するよりも、誰かを蹴落として競争に勝ち残ってゆくことだけを目標にされがちな資本主義社会のなかで、極度に狭くなってしまった視野を見直し、ほんらいの五感を開くことのほうが、自己肯定感をとりもどすためには、ずっと効果的だと思いませんか?


🔷尽きない生涯学習を探究したいかたへ:葬祭カウンセラーとは?

 最後までお読みくださり、ありがとうございます。
 このようなテーマに関心をお持ちで、「ぜひ潜在意識を転換して前向きに生きてみたい」と決意されたかたに、縁空の葬祭カウンセラー認定実用講座をオススメしております。

 葬送儀礼についての民俗学的な知識を学び、日本人として生まれたことへの理解を深められる講座です。
 知識を得て認定されることは、最終目的ではありません。縁空(エンク)では毎月22日の20時よりオンライン会議システムZoomにて、月例勉強会を続けております。
 縁空ブログがテーマにしているようなさまざまな「答えのない問い」に向きあい、語らい続けるほんとうの意味での生涯学習を継続します。

 月例Zoomの運営は、任意のご喜捨のみで継続しています。葬祭カウンセラーは、「100年前ならどなたでも知っていたであろう知識」をお伝えしているだけなので、認定料も、年会費も徴収しておりません。一度認定されれば、生涯〝葬祭カウンセラー〟を名乗っていただくことができます。
 そのため本講座(動画10本の試聴+効果測定の8割以上正解で認定)の受講料は少々高めに設定しております。ほかでは聴くことのできない全10回の動画講座が各回1万円を切っていますので、大人の学びと考えればけして高額ではないと考えております。クレジットカード払いでしたら24回までの分割も可能。公式LINE等から別途ご相談いただければ学割・生活保護割引も適用いたします。
 そのうえ、ひとりでも多くのかたに葬祭の学びを得ていただきたいので、「同居のご家族」は追加料金なしでご受講いただくことができます(100%引きクーポンを進呈)。

🔷月に一度のペースで、縁空月例Zoomを開催しております。縁空公式LINEに友だち登録いただければ、開催情報が届きます。また毎回のZoomの終盤で、本講座の割引クーポンコードをお知らせしておりますので、受講をご検討のかたはぜひ、まずは月例Zoomで雰囲気を知ってからお申し込みください。
➡受講をお急ぎのかたは、公式LINEのメッセージで「葬祭カウンセラーを受講したい」とメッセージを入れてくだされば、クーポンコードをお知らせいたします。

🔷講座詳細は、当ウェブサイトサイドバーの「縁空塾」でコエテコカレッジにジャンプし、なかほどの「販売講座一覧」から「葬祭カウンセラー認定実用講座」で、ご確認ください。

 

縁空のオケイ/勝 桂子

縁空のオケイ/勝 桂子

宗教法人専門特定行政書士/仏教系FP/葬祭カウンセラー。 遺言相続、任意後見などの相談に応じるなかで、お金の心配ばかりの終活に疑問を感じ、古溪光大僧侶とともに縁空合同会社を起業。業務執行責任者として、葬祭カウンセラー認定実用講座などを運営。 『いいお坊さん ひどいお坊さん』(ベスト新書)、『心が軽くなる仏教とのつきあいかた』(啓文社書房)著者として、全国各地の僧侶研修に登壇。AFP。東京都行政書士会板橋支部役員。民生児童委員。 🔶J-FLEC認定アドバイザー https://api.biz.j-flec.go.jp/advisor/advisor_profiles 🔶Lit-link https://lit.link/369okei

縁空コラム一覧に戻る