ハスノミという名前の由来
- 2025/07/10
このサイトの名前「ハスノミ」は、2024年の秋にわたしが「重慶茶会」という一風変わった催しで、蓮の胚芽が漢方などで薬効があるといわれていると聞いたことに端を発しています。

有名都市なのに秘境⁉ 重慶という街の魅力
蓮の胚芽の効能を知ったのは、わたしがときどき行く地元(東京都板橋区)のナチュラルショップ「下町のハチドリ」で、「重慶茶会」という催しに参加してみたときのこと。こちらのお店にスパイス類などを卸しているかたが、縁あって重慶を旅されたときの体験談を語りながら、現地でゲットしたさまざまな茶菓をふるまってくださる催しで、出された試食品のなかに「蓮の胚芽」なるものがあったのです。お茶としてもいただきました。
重慶といえば、横浜中華街に半世紀も前から「重慶飯店」という有名店があるので、都市名を知っている人は多いと思います。人口はおよそ3200万人で東京23区のおよそ3倍。世界で一番、人が密集している都市ともいわれます。
長江流域の経済の中心地であり、西南圏の経済の要所となっていますが、おもには工業都市です。洪崖洞、大足石刻、武隆カルスト風景区、三峡など、自然と歴史文化が融合した観光スポットもあります。
ところが、なんとこのワールドワイドな時代においても、英語がひとつも通じなかったのだそうです。催しでお話しくださったかたは「旅行している数日のあいだ、一度も欧米人の姿を見かけなかった」と驚いていらっしゃいました。山に囲まれた霧深い秘境。内陸経済の要所ではありますが、アジア人しかいないその光景は、人口だけはめちゃくちゃ多いのに、「日本の山奥と同じに見えた」そうです。
それだけに、世界経済にまだ荒らされていない秘儀(ウオノメをとる足つぼマッサージ、生まれてこのかた一番気持ちのいい形に爪を整えてくださる技術者に出会った話が印象的でした)や産物がたくさんあるようです。
蓮の胚芽は重慶原産というわけではなく、主な産地はもっとずっと東の建寧(三國志でいえば呉の国)あたりですが、中国全土で不眠やうつへの薬効が知られ、お茶として飲まれているのだそうです。
必要としている人には、苦くない(かも)
蓮の胚芽は、そのまま齧ると「とても苦い」と説明されました。
その催し参加当時、ちょっと心身ともに疲れ気味だったわたしは、「とても苦い」と聞いた時点で、
「もしかすると、モリンガ(※)と似ているかも」
と直感しました。
※モリンガは、90種類もの栄養素を含むインド原産の植物で、スーパーフードとして国連でも飢餓を救う食物として注目されています
ロート製薬オンラインほかから
モリンガも、齧ると「とても苦い」と感じる人が多いのですが、はじめてモリンガに出会った奈良のグルテンフリーカフェの店長Oさんが、「身体が必要としている人にとっては、それほど苦くない」のだと教えてくれました。
一緒に行った友人は「すごく苦い!」と言ったのに、わたしにはまろやかな甘みさえ感じられました。以来、モリンガ茶をときどき買っています。
さて、重慶茶会で出されたその数本の蓮の胚芽。あのときのモリンガの味を思い起こしながら口に含んでみると…… なんと予想したとおり、あのときと似た「ほんのりの甘さ」があるではありませんか。
ほかの皆さんは、「苦い、苦い」とおっしゃっていました。そして齧ってみてから10分ほどすると、心臓まわりのゾワゾワ感のような重たさがするりと取れ、軽くなっていったのです!
これは、ほんとうに不眠やうつに効くに違いない。縁空の周辺には、潜在的に生きづらさを感じ続けている人が大勢います。そのかたがたに、このハスノミの薬効を知らせたい、と思いました。
この重慶茶会からほどなくして、看取りの相談サイトを立ち上げようという話になったとき、迷わず「ハスノミ」と名付けたいと思いました。思いついてから、もしかしたら、友人が運営する、お坊さんが必ず答えてくれる相談サイト「ハスノハ」の姉妹サイトとして、相互アクセスアップを図れるかもしれないとも感じました。ハスノハの代表H氏に相談してみて、姉妹サイトにGOが出たらこの名前でいこう。ダメだったらまた考え直そう、と数日を経ました。
時期がちょうど9月の終わり。カメラを片手に不忍池をめざすと、まだ鳥たちに食べられていないハスノミが残っていました。ハスノミはすぐに食べられてしまうので、まだハチスになっていない実が入っている状態での写真が撮れることはめったにありません。運よくハスノミの写真も撮れたというところで、ハスノハのH氏からも快諾をいただき、サイト名は「ハスノミ」に決まりました。
Web上で紹介されている、その他の蓮の薬効あれこれ
このほかネット上でも、ハスの胚芽や根にさまざまな薬効があるかもしれないということが示唆されています。結びにいくつかご紹介したいと思います。
【1】マウスに蓮の種子を摂取させたら運動活動性が緩和され、睡眠時間を延長したことが確認されたという研究結果が米国政府公式のウェブサイトに掲載されています。蓮の実の胚から抽出されるメタノール、ネフェリンが複数の中枢作用を有し、ハスの種子胚の鎮静作用の有効性に関与している可能性を示唆しています。
【2】こちらの実験結果では、下痢ラットにおいて、ハスの地下茎抽出物を100, 200, 400, 600mg/kg を摂取させたところ、糞便の湿潤性の改善と、蠕動運動の緩和が見られたことから、ハスに下痢止め作用が示唆されました(こちらは実ではなく根の薬効です)。
【3】さらにこちらでは、ヒツジ赤血球細胞に、ハスの地下茎ならびに種子抽出物を100, 300mg/kg を投与すると、白血球とリンパ球は増加し、好中球数が減少したことから、ハスが免疫調節機能を持つことが示唆されています。
以上、「ハスノミ」というサイト名の由来についてご紹介しました。どうぞ皆さま、ハスノハ&ハスノミを、いずれも末永くよろしくお願い申し上げます。