四十九日までに納骨しないと成仏できない?
- 2025/01/28
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四十九日までに納骨しないと成仏できない、と親戚に言われました。本当でしょうか。
昨年母が亡くなったのですが、先祖代々の墓は遠方の寺にあって、もう十年以上誰もお参りしていないので、墓じまいを考えています。そのため、新しい墓を選んだりしていたら、半年がたってしまいました。
親戚が「早く納骨しないと祟る」と何度も言うので困っています。
回答者からの回答
地域によっては、一周忌で納骨する習慣になっているところもあり(岐阜県の一部地域など)、四十九日までに納骨を済ませないとどうにかなってしまうということはないと思われますので、まずはどうぞご安心ください。
四十九日忌は、『倶舎論』などの経典において、人が亡くなると七日ごとに審判を受け、最終的に七回目の審判つまり四十九日目に六道輪廻のどこへ生まれかわるかが決まる、とされているところから来ているといわれます。
そのため、四十九日までに納骨しないと審判が受けられないのではないかとお考えになるかたもいらっしゃるのでしょう。しかしながら、仏教発祥の地インドでは人が亡くなったら火葬してガンジス河へ亡骸を流します。このことからも明確なとおり、ご遺骨に御魂が宿るわけではありません。
一般的な伝統仏教宗派であれば、お位牌に入魂されると思いますので、じつはご遺骨にはなにも宿っていないのです。浄土真宗の場合は、追善供養をしなくとも阿弥陀佛が即時に救ってくださると考えますので、お位牌に入魂はしませんが、納骨する・しないにかかわらず成仏しているといえるでしょう。
また成仏なさるかどうかは、ご本人があの世で真摯に修行にはげんでいらっしゃるかどうかによるところが大きいと思われ、今生の者はそれを供養によって後押しするだけですから、ご遺族が手を貸さなかったからといって成仏が妨げられるものではないと考えられます。
なお仏教は、ひとりひとりが平穏なこころになることをめざす宗教ですので(※)、「成仏できない」とか「祟る」と言って信徒や市民を不安な気持ちにさせる教えではありません。
※「ブッダ」はインドの言葉で「悟った人」という意味。ブッダになることをめざすのが仏教です。
2025/01/29

縁空のオケイ/勝 桂子
グルテンフリー歴8年(^^♪